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らんぼうの新コーナー
 
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久しぶりのらんぼうの新コーナー。気持ち新たに掲載していきます。らんぼうのニューワールドをお楽しみ下さい。
皆さんも「らんぼうの広場」に書き込みを!
 



年は紅葉がだめだろうと言われてきた。夏の暑さはぞっとするほどだったし、その後のノロノロ
台風にもダメージを受けた。普通こういう年の紅葉はスカである。僕も栗駒山の紅葉を目の当たりに
するまでは、ダメだろうと思っていた。
 栗駒山には10月9日に宮城県側の山麓、耕英に
ある民宿まぐさ森に泊まった。近くに森の画廊「ぐぐ庵」がある。この画廊は僕の先輩で日本画家の能島和明さんが開いている。ちょうどこの日は小品を
中心とした個展が開かれていたので。それを鑑賞。
画伯はご機嫌で「近くの世界谷地に行きませんか?」という。
 始めてこの名を耳にした人はなんだそりゃと首を
ひねったり、驚いたりする。栗駒山麓は宮沢賢治の
「イーハトーブ」の外れではあるが、なんだか賢治の
物語にあるような名前ではないか。僕はもう何度も
行ったことがあるのでニヤニヤしているのだが。谷地
とは湿原のことで、世界とは世界中が見えるかと思うほど広々とした、という意味のようだ。僕が少年の頃は尾瀬のように広かったが、乾燥化が進み今はだいぶ狭くなり、灌木類がはびこってしまった。
 それでも、行ってみる価値はある。入り口の駐車場から15分ぐらいブナの二次林の道をゆるく登って
いくと、明るい灌木地帯になり、尾瀬のような木道が伸びている。夏の名残りのキンコウカの花やノハナショウブ、それにニッコウキスゲなどがドライフラワー状になって立ちつくしている。こうした様子もなか
なか秋らしくて風情が感じられた。
 湿原では草紅葉が始まり、つつじの仲間などが
早くも赤く紅葉していたが、全体的にはまだ秋の序章という感じだった。翌日僕らが一生分の紅葉に
遭遇するとは、まだこの時は夢にも思っていなかったのだからおかしい。








 山登りが趣味なのだから、毎年紅葉の山に出かけている。目を閉じて遠い日を想えば、岩手県の八幡平の紅葉は良かった。行けども行けども紅葉の海で、いつか紅葉の中でおぼれてしまうのではないかと思うほど酔いしれた。明日の栗駒はどうだろう?

 今度の栗駒はイワカガミ平から突然のように紅葉のドラマが始まった。まずはミネカエデやナナカマドの黄金色と深紅の木々のトンネルに入る。青空に映えて煌めく紅葉にうっとりしながら行く。沢を渡るときの水との対比はまた別の山水画風の美学が刺激されて、息をつく間もない。
 このコースは東栗駒コースと呼ばれているが、途中に小さなピークの東栗駒山がある。そこのピークがこの紅葉の時期のハイライトだと思う。このピークこそ世界の果てまで紅葉しているのではないかと思うほど、全山が見渡せる。秋の壮大なシンホニ―が聞こえるようだ。まさに秋のてっぺんに立ったような気分だったのである。
 栗駒山の頂上付近の褐色のクサモミジ。ハイマツやネマガリタケなどの緑。ナナカマドやドウタンツツジの赤。そしてカエデ類の黄金色などなど。秋の神様の自慢のタペストリーを広げたようでもある。
 山仲間から「うっとりするのも疲れるねえ」の声が出た。「そうだねえ」と僕「一生分の紅葉を見てしまった気分だねえ」。と言い苦笑してしまった。
 







 栗駒山山頂は大変な人出であった。花ならぬ
紅葉に誘われて、これほどの人が繰り出したのだろう。震災の傷跡がまだ消えやらぬ東北に、こうした
笑顔が戻り始めたことは、何より喜ばしい事だと
思った。
Rambow,,





つづく

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